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 その時、救急車が通り過ぎた。救急車が近づいてくる時は、音が高くなり、遠ざかる時は音が低くなる。その音は近づいて来る時は、シとソのように聞こえ、遠くに行く時はシのフラットと、ファシャープとソの中間のように聞こえた。オリオンは「あの救急車は時速30キロだな」と言った。するとステローペが「あんたサイボーグか」と言った。するとオリオンは「ここの道は気が10メートル毎に植えてあるんだ」と言った。その時、また救急車の音が聞こえて来た。それは近づいて来る時はドとソのシャープであり、遠ざかる時はラと、ファとファのシャープの中間であった。アーティミドアは「あれってどれくらい早いの?」と言った。するとステローペが「時速100キロだよ。木が10メートルごとに植えてあるんだから」と言った。