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 しばらくすると、信号が赤だったので、車は止まった。その時ステローペが、藁の山と道路標識を見て、笑って「あの道路標識、藁を落とせ! 、・・・じゃなくてスピード落とせと書いてるよ! 藁が積まれている!」と言った。するとアーティミドアも笑ったが、オリオンは「ふざけた道路標識は困るなあ。気がついた時は通り過ぎてて、笑う暇が無いよ」と言った。信号が青に変わったので、車は再び走り出した。そして、道路標識が見えて来た。その標識には、女性の警官の服がずり落ちて下着が見えている絵が描かれていて、「見つめないで! 事故の元!」

書かれていた。するとアーティミドアは両手で顔を覆い、ステローペは「事故の元をわざわざ立てるな」と言って笑った。それからまた別の道路標識が見えて来た。それには「この先下り坂」と書かれていたが、その先は、上り坂のように見えた。アーティミドアは「上り坂みたいだわ」と言った。するとオリオンが「ここより緩い下り坂だから、スピードは落とさないといけない。ここでスピードを上げたら、加速し過ぎて危ない」と言った。ステローペは不思議そうに「ぼく、ここよく通るんだけど、なぜか今はきつい昇り坂みたいに見えるよ」と言った。オリオンは「そりゃ自転車は自動じゃないからなあ。車だと自動だから分からないよ」と言った。その時小さな動物が道の真ん中に現れたので、オリオンは車を止めた。するとアーティミドアが車を下りて、その動物を捕まえようとしたが、その動物は逃げて行った。そしてアーティミドアは車に戻った。オリオンは「今のミニチュアティラノサウルスだぞ。噛まれなくて良かったな」と言った。そして車は再び走り出した。しばらくして、車はレストランの前に止まった。そして三人は車から下りた。アーティミドアは、右腕をオリオンの左腕に絡ませた。そしてステローペはアーティミドアの左肩に、右手を乗せた。するとアーティミドアは、彼女の手を払って、オリオンの右側に行った。そしてオリオンは左手をステローペの右手に繋ごうとした。するとステローペはオリオンの手を払った。オリオンはオリーヴオイルをパンにかけて食べた。そしてアーティミドアとステローペはバターをパンに塗って食べた。アーティミドアは、オリオンの真似をして、パンにオリーヴオイルをかけた。その時オイルがこぼれたので、あわてて瓶を立てた。そして手を拭いてから、パンを食べて「美味しいわ。悪くはないよ」と言った。