2011-06-01から1ヶ月間の記事一覧

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七月三十日の夕べ、金星 が西の空に見えていた。そしてそれは二十一時三十五分に沈んだ。その夜、土星 と木星 と、その年明るかった火星 が見えていた。そして日付が変わった。メティデス という、火星と木星の間を回る、黄金の惑星が、一時一分に昇るはずで…

1 序章 the prologue

始めに神樣は、天地を創造された。神樣は、世界を完成された後、最後に人をお作りになられた。神樣は言われた。 「産めよ。増えよ。大地に満ちよ。」 人は多くの子を産み、子は多くの孫を産み、孫は多くの曾孫を産み、そして曾孫も多くの子孫を残した。 人は…

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マドリードに、廃屋となった修道院があった。そして若い女性 がそこに住んでいた。彼女は鳶色の髪で、銀色のサークレットを着けていた。彼女は目覚めると、銀の十字架のネックレス を着けて、修道女の服 を着た。それはサフラン色で、縁が赤かった。しかしそ…

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翌朝の八月一日、マトゥサラは狩りに行った。彼女は野うさぎを見つけると、銀の矢を銀の弓につがえた。それらはアルテミスの弓矢がモデルである。彼女は野うさぎを狙っていたが、それは非常に速かった。マトゥサラは矢を放ったが、狙いが外れた。彼女は再び…

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そしてマトゥサラは、森に僕を捜しに行った。その時彼女は黒豹を見つけた。そして「ロデム! 私の僕になれ!」と叫んで黒豹の後を追い始めた。なぜなら彼女はその黒豹を僕にしたかったからである。その時その黒豹は藪の中に逃げ込んだ。彼女は走って来ると、ガ…

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その翌日の八月二日、マトゥサラは新聞を読んだ。それにはこう書かれていた。黄金の惑星、メティデスが消失したために、占星術師のサイデレオスとトロピコスが十二星座占星術に移行した。サイデレオスは天文学者が使っている十二星座を使うと出張しているが…

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二人は駅に来た。その時、電車が出る直前だったので、マトゥサラは全速力で走って電車に駆け込んだ。そしてドアが閉まり、電車が動き始めた。そして座って周りを見回したら、彼女は一人だけだった。その時、バトラーチェが電車の外にへばりついて、窓を叩い…

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八月七日、マトゥサラとバトラーチェはピサに来た。マトゥサラは、メティデスがなぜ消失したかを調べるために図書館に行った。彼女は科学雑誌を開いた。それにはこう書かれていた。ニコラウスという天文学者は、宇宙の中心は地球ではなく太陽だと主張してい…