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 翌日、アーティミドアはオリオンに会いに行った。その時オリオンはエレキギターを弾いていた。アーティミドアは「私に何か出来る事はある?」と言った。するとオリオンは「俺が弾いた曲を楽譜に書き取ってくれるか」と言った。そしてオリオンはエレキギターを弾き始め、アーティミドアは楽譜を書き始めた。楽譜を書き終わった時、オリオンは「ありがとう。あいつ喜ぶかな。デダイフのダイフはオランダ語で鳩 だろ」と言った。するとアーティミドアはステローペに対して殺意を催してたが「デダイフのデはオランダ語の定冠詞よね」と言った。そしてホテル・イスカンダリアに戻った。そしてナイフをかばんに入れて、ステローペの家に行った。彼女の家に行く途中、踏切で、キリンの大群が電車の代わりに走っていた。そしてステローペの家に着いた。その時、ステローペは風邪をひいていた。彼女は「ちょっと待ってて。着替えて来るから」と言って、奥の部屋に行った。その時、ガラスコップがテーブルの上にあった。アーティミドアはそのグラスの飲み物を全部飲み干してしまってから「苦いわ!」と叫んでグラスを投げた。それから、着替え終わったステローペが来て、テーブルを見ると「グラスどうしたの? ここに置いてたはずだよ」と言った。そしてグラスの破片を見つけると、驚いて「今苦いわって言っただろ! 飲んじゃったのか! それぼくの風邪薬だよ! 薬の瓶にひびが入っていたからコップに移してたんだ!」と言った。するとアーティミドアは驚いて「私ジュースだと思ったのよ」と言った。ステローペは「そんな! ぼくだ飲んでないんだよ!」と言うと、大声で笑いだした。アーティミドアは気分が悪くなって、テーブルにしがみついた。するとステローペはアーティミドアをベッドに寝かすと「新しい薬と、あんたの解毒剤貰って来るから」と言って病院に行った。そして新しい薬の瓶と、一粒の錠剤を持って帰って来た。そしてその錠剤をアーティミドアに渡すと「これで気分良くなるよ」と言った。その時ブザーが鳴ったが、その音はトレブルCとミドルGシャープに聞こえた。そのブザーは本来ミドルBとミドルGである。アーティミドアは「ブザーの音調整したの?」と言った。すると彼女は「してないよ。今新聞屋が来たんだけど、ブザーの音はミドルBとミドルGだよ」と言った。するとアーティミドアは起き上がって、ピアノを弾き始めた。そしてピアノを弾いているうちに、気分が悪くなってきて「この音シャープ付きになってるわ」と叫んだ。ステローペは「何言ってんだよ。寝てろよ。しばらく休んでいれば、楽になるから。たった数時間でシャープ付きにはならないよ」と言った。これが人間に聞こえる音である。