65

 車は砂浜に着いた。アーティミドアは、家で焼いて来たクッキーを出した。その時ステローペが「あんたバニラエッセンス頭からかぶったのか」と言った。アーティミドアは「瓶を開けっ放しにしていたので、私の上からこぼれて来たわ」と言った。その時一匹のヒトデが来て「クッキーくれ」と言った。するとアーティミドアは笑うとヒトデにクッキーを一つあげた。するとヒトデは「お前バニラエッセンス入れ過ぎだから食いもんにならんわい」と言った。オリオンがそのヒトデを指差して「こいつはクッキーヒトデだ。クッキーしか食わない」と言った。するとステローペが「どうやって野生で生きてんだよ!」と言った。するとアーティミドアは笑った。オリオンがアーティミドアに「何でフランス語分かるんだ」と言った。アーティミドアは「学生時代に、ドイツ人の生徒が、世界一の文学全集はドイツにあると言って、フランス人の生徒も同じ事を言ったの。そしてドイツ人とフランス人が喧嘩を始めたわ。それで私はその人達に公平な審査をしたいと思って、フランス語の教科書を読み始めたの」と言った。ステローペが「フェルヴァイレ・ドッホ・ドゥー・ビスト・ゾー・シェーン」と言った。アーティミドアは「ファウストの台詞ね」と言った。ステローペは「スペイン語分かるか。あんたのお父さんは多分スペイン人だと思うから」と言った。するとアーティミドアは「ラ・ニーニャ・デ・トゥス・オホス(美しき虜)、ボラベルント(裸のマハ)、シン・ノティシアス・デ・ディオ(ウェルカム・ヘヴン)、トド・ソブレ・ミ・マドレ(オール・アバウト・マイ・マザー)、アブレ・ロス・オホス(オープン・ユア・アイズ)・・・」と言った。ステローペは「それみんな映画の題名だろ。他の単語も知ってろよ」と言った。