31

 翌日、三人は出発した。車がガソリンスタンドで止まって、オリオンがガソリンを入れ始めた。その時アーティミドアは、ガラス戸の中の猫を見つけた。そして「可愛い!」と言って、ガラス戸の所に走って行って、しゃがんで猫に手をふった。オリオンはガソリンを入れ終わると、アーティミドアを呼んだ。そして三人は再び出発した。三人は競馬場に来た。その時アーティミドアは「馬が一番早いわ! 二番目も馬だわ! 三番目も馬! 他のもみんな馬ばっかり! 一頭くらいラクダがいたっていいじゃないの!」と言った。するとステローペが笑った。それから三人は山に登った。高地の低い気圧は、アーティミドアの生まれ故郷に似ていたので、アーティミドアは、思わず感動した。アーティミドアは「月の住民は、地下の町に住んでいるわ。沢山の柱が天井を支えているの。その柱はピサの斜塔がモデルよ。一般市民は、地面の家に住んでいて、要人達は、天井からぶら下がった建物で働いているわ。元気のいい子供達は、真上に石を投げたりしていて、市長さんの家は、サグラダ・ファミリアがモデルで、天井から逆さまにぶら下がっているわ」と言った。その後、アーティミドアは、鳥たちの鳴き声を楽譜に書いた。