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 八月十七日、マトゥサラとバトラーチェはエジプトに行くために港へ来て、船に乗った。その時マトゥサラは、クリストフォルスに似た男を見て、後を追ったが、見失った。そして彼女は、クリストフォルスはアンタイオスとの試合の時、不在だったので、アンタイオスが不戦勝になったわ。どうしてかしら? と思った。そしてマトゥサラとバトラーチェは船内のレストランに入った。マトゥサラはウエイターに「カエル料理を頼む。日本のアカガエルが一番旨いんだ」と言った。その時バトラーチェが逃げようとしたが、マトゥサラは襟首をつかんで、ウエイターに「冗談よ。人間と蛙の両方が食べられる料理がいいわ」と言った。するとウエイターはその場を去った。するとバトラーチェが「温泉ガエルは不味くて食えんぞ!」と叫んだ。そしてウエイターが、イナゴ料理を持って来た。するとマトゥサラが「うわぉこれバッタ!?」と叫んで、椅子ごと後ずさりした。そしてバトラーチェは大喜びで食べ始めた。ウエイターは「洗礼者ヨハネはイナゴと蜂蜜を召し上がっておられました」と言って、シロップをかけ始めた。するとマトゥサラは気を失って倒れた。