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 八月十八日、マトゥサラとバトラーチェはカイロに来た。その時、一人の男がバス停にいたが、バスは止らなかった。そしてその男はバスの後を走って行って、ドアに跳びつくと、バスの中に入った。それでマトゥサラとバトラーチェは笑った。そして二人は、暑かったので井戸の前に来た。その時ツタンカーメンが、恨めしやー」と言って、井戸から現われた。そして二人は逃げた。二人は立ち止まり、マトゥサラは「もう! 暑いわ!」と叫んだ。するとバトラーチェは小さい雲に変身して、雪を降らした。すると一匹のゴキブリが、嬉々としてして雪玉 を作った。それからマトゥサラはゴキブリ型のクッキーを見つけて買うと「バトラーチェ! ゴキブリ焼きを見つけたわ!」と言った。するとバトラーチェは元の姿に戻ると、大喜びで走って来てそれを食べた。そして吐き出すと「これゴキブリじゃないやい! クッキーだ! こんなの食えない!」と叫んだ。マトゥサラは「エジプトのゴキブリはスカラベといって、動物の糞で玉を突くって転がすのよ。それでエジプト人は、ゴキブリを太陽の運び手として崇めているのよ。古代エジプト人は、死者の魂は再び帰って来ると信じていて、死者が生き返る事が出来るようにと、ミイラを作っていたのよ」と言った。するとバトラーチェは「魂が帰って来た時、骨だけだったら、骸骨で生き返ってサーカスに出ればいいだろ」と言って、骸骨に変身して踊り始めた。