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 翌日、アーティミドアは、好みのタイプの男性を見た。男の名はオリオン・シャッシュールといい、黒い髪であった。その地方に、シャッシュールと言う名の農家の人がいる事を知っていた。畑仕事は地上でやる仕事なので、アーティミドアは、彼に興味を持った。その時、黒猫がいたのでアーティミドアは、その黒猫を空に放り上げた。そして猫はオリオンの頭の上に落ちた。オリオンは「カラスか」と叫んだ。アーティミドアは駆け寄って「大丈夫? 一緒に病院に行きませんか?」と言った。オリオンは「大丈夫だ。かすり傷だ」と言った。アーティミドアは「駄目よ! 消毒しなきゃ! 私が診察代出すから!」と言った。そして二人は病院に向かった。アーティミドアは「シャッスールという、大農家がこのあたりに住んでるそうね」と言った。するとオリオンは「俺がシャッスールだ。オリオン・シャッスール。だけどおやじの畑が塩害でやられたんで、おれは猟師になったんだ」と言った。アーティミドアは「私はアーティミドア・リーヴラインよ。シャッスールはフランス語で猟師という意味ね。猟師も地上でする仕事でしょ」と言った。オリオンは「アーティミドア? 男みたいな名前だな。いや冗談だ。気にするな」と言った。そして二人はイタイ病院に来た。ドクター・ハサン・オサムがオリオンの手当をした。アーティミドアが、治療代を払おうとすると、オリオンがアーティミドアを押し退けて、自分で払った。そしてアーティミドアに「ありがとう。何て親切なんだ。女にこんなにモテたのは初めてだ」と言った。するとアーティミドアは「私本当は男だから…」と言うと、オリオンは「何言ってんだ」と言って笑った。それからまた、顔を上げると、アーティミドアはいなくなっていた。
 その時、アーティミドアは公衆電話に入って涙ぐんていた。アーティミドアは「私、男だと言っちゃったわ・・・、あの人私を嫌いになったでしょうね。秘密は隠していても、いつかはばれるんだけど、あまりにも早すぎるわ」と言った。