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 ある日、雪が降っていた。アーティミドアは図書館に向かった。そして途中で、坂道で滑った。その時け飛ばした雪が、転がりながら、だんだん大きくなっていった。アーティミドアは、大きくなっていく雪の玉を見て驚いて立ち上がると、足を雪にとられながら、坂道を急いで降りた。そして、雪の玉を見た。その時ステローペが現れて声をかけた。アーティミドアは「この雪の玉は、転がっているうちに、どんどん大きくなったわ」と言った。ステローペは「雪の玉は雪の上で転がしたら大きくなるんだ」と言って、雪の玉を坂道の上に投げた。するとその玉は転がりながら、大きくなった。そしてステローペは雪だるまを作って「和風雪だるまだ」と言って、二つの雪の玉を重ねた。するとアーティミドアは「松本零士さんがよ太った小柄な男と、背の高い痩せた女の人のカップルを描いてるわ」と言った。そしてステローペに「あなたのお顔はアジア人に似ていて、肌が黄色っぽいわ。先祖に東洋人がいたのかしら」と言った。ステローペは「あんたもそう思うのか。ぼくのおやじはオランダ人だ。だけどおふくろは知らない。ぼくを産んですぐ家出したっきり帰って来ていないんだ」と言った。するとアーティミドアは驚いて「ごめんなさい」と言って涙ぐんだ。するとステローペが「気にしないで。ぼくはおふくろがいなくてもちゃんと育ったから」と言った。そして彼女は指を指して「あれ見ろ」と言った。アーティミドアが、その方向を見ると、一台の車が坂道を登ろうとしていたが、車輪が空回りしていて、登れないでいた。すると二人は大声で笑った。