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 八月二十六日、マトゥサラとバトラーチェはホテル・バベルを出て、北へ向かった。そして二人は、湖のそばにある、バラージという町に来た。その湖の水は、海水よりも塩辛いが、死海ほどには辛くなかった。二人は荒れ果てた神殿に入った。すると、顔をそぎ取られた神像 があった。マトゥサラは「この像はハンサムだったのかしら。おそらくイスラム教徒の仕業ね。文化遺産だっていうのに。だけどモハメッドは猫を可愛がりなさいと言ったわ。その事に関してだけは、彼を評価するわ」と言った。