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 やがてバトラーチェは、マトゥサラによく似た人影を見つけた。その人影は男と一緒にいた。その男は襲撃者には似ていなかった。バトラーチェは、その男は誰だろうかと思って、忍び足で近づいた。しかし、その人影はマトゥサラではなかった。彼女は一人の少女であった。少女は「カエルがいる!」悲鳴をあげて指をさした。バトラーチェが、指をさされた場所を見ると、一匹のカエルがいた。するとその男がそこに来て、そのカエルを拾って投げると、勝ち誇って拳を天に突き上げた。そして少女が歓声をあげた。するとバトラーチェは大慌てで逃げ出した。
 その後バトラーチェは町を彷徨っていた。その時、先程の男と少女にばったりと出会った。すると彼女は笑って「面白いカエルだわ! 捕まえて!」と言った。すると男が彼に跳びかかった。そこでバトラーチェは大慌てで走って逃げた。