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 私はエノスである。私は真実を求めていた。そして世界暦三百二十五に、主なる神から私にメッセージが下った。主なる神は私に答えて下さった。そして私はこの書物を書いた。
 初めは、宇宙は空であった。空虚だけがあり、デミウルゴスだけがそこにいた。彼が初めにいた。彼が宇宙であった。全てのものは、彼を通して出て、彼を通らずに出たものは無かった。デミウルゴスは世界を欲して、五つの元素を創った。それらは空気、星素、精、湿素、そして土であった。純粋な星素は青く、それは精を吸収する毎に、その色を白、黄、橙、そして赤に変える。そして精を多く含み過ぎると、爆発して雷火分子に変わる。雷火分子は火と雷の、二つの形をとる。火は気体であり、最も濃い火は青く、薄くなる毎に、その色を白、黄、橙、赤、そして無色透明に変える。そして雷は青紫色の液体である。火の密度は一であり、雷の密度は二十七万六千七百八十八である。湿素は雲、氷、そして水の、三つの形をとる。雲は気体であって、薄くなると共に、色を白から透明に変える。氷は固体であり、水は液体である。これらの九つの物質を、密度が高い順に並べると、星素、雷、水、土、氷、空気、雲、火、精の順になる。土は常に固体であり、空気は常に気体である。雲の密度は九であり、氷の密度は一万千百四十八であり、水の密度は一万二千二百六十四である。そして精は常に気体であり、重さを持たない。空気の密度は十五であり、精の密度はゼロである。光は圧力を持っている。精はその圧力を伝えるが、それ自体は流されない。火はその圧力を伝えないが、それ自体は流される。その他の物質は、その圧力を伝えず、また流されない。天は精で出来ている。そして地球はその他の物質で出来ている。雷は、空気と精と土に触れると火に変わる。そして火は雲と氷と水に触れると雷に変わる。雲は濃くなり過ぎると水に変わる。氷は空気と火と土と雷に触れると水に変わる。水は空気と火に触れると雲に変わる。雲と水は精に触れると氷に変わる。
 デミウルゴスは光を欲して、天に太陽を創った。それから、夜間に方角と季節と時間を知るために、星達を創った。デミウルゴスは、地面を四分の三ほど、天に投げ上げた。なぜなら大地が太陽の熱で干上がるからである。その時投げ上げられた陸地は月になり、残された陸地は陸になり、そして欠けた部分は海になった。