45

 地球の中心部は雷で出来ている。それは大いなる業火と呼ばれている。そしてその周りを水が覆っている。それは深淵と呼ばれている。そしてその周りを地殻が覆っている。それは大地と呼ばれている。そして空は空気、雲、そして火で出来ている。それは大地の上にある。大気の上層部は火で出来ている。それは天蓋と呼ばれている。それは太陽の光で圧縮されると青くなり、日が傾くと、白、黄色、橙、赤を経て透明になる。そして天は精で出来ていて、空の上にある。
 地球の半径は、一ヘミガイオンである。地球の自転周期は、およそ二十三時間五十六分四秒である。地球の自転軸傾斜はおよそ二十三度二十六分二十一秒である。月、太陽、そして惑星達の外部重心は、地球を一つの焦点とする、それぞれの楕円軌道を描いて回っている。そして惑星達は、それぞれの外部重心を一つの焦点とする、それぞれの楕円軌道を描いて回っている。惑星の軌道を周転楕円であり、外部重心の軌道を導楕円である。天体の中心と地球の中心を結んだ線が、一定の時間内に描く弧の面積は、一定である。天体の、公転周期の二乗は、地球からの平均距離の三乗に比例している。そして周転惰円も、同じ動きをする。惑星達の本体は、外部重心の周りを回っている。その外部重心は、周転楕円の焦点であり、不可視である。
 天地創造の時、エルサレムは午前二時であった。その時、地球赤道の昇公点、即ち秋分点は、天蠍宮二十七度四十一分三十二秒にあった。そしてそれは、およそ九百四十五万九千九百日二十一時間五十七分七秒ほどで、天空を逆回転する。その時、エルサレムでは、天頂は処女宮十八度二十八分四十五秒と、北緯八度二十七分四十秒にあった。