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 その時一人の男が空に横たわっていた。そして一人の女も地に横たわっていた。男は女の手を取り、地に降り立ち、女もまた男の手を取り、立ち上がった。彼らはウラノスとガイアであった。ガイアは多くの被造物を欲しがり、全ての海の生物を創った。それらは魚と海草、その他の様々な生物であった。ウラノスはガイアによってコイオス、クロノス、ディオーネ、イアぺトス、オケアノス、フォイベ、レア、そしてテテュスを産んだ。コイオスはフォイベによってレトを産んだ。オケアノスはテテュスによって、クリュメネ、メティス、そしてプレイオネを産んだ。イアペトスはクリュメネによってアトラスとプロメテウスを産んだ。アトラスはプレイオネによってディオーネとマイアを産んだ。ガイアは水の中の生物達を創り、更に地上の生物も創ろうとした。しかしウラノスは被造物達が上陸する事を許さなかった。ガイアは全ての被造物を愛おしく思っていた。彼女は息子達に「私は陸の生物も創りたいけど、お父さんがそれを許してくれないのよ」と言った。するとクロノスが黄金の鎌を持って、ウラノスのベッドに入った。そしてウラノスがベッドに来た時、クロノスは彼を切り殺し、七つの肉片に分けた。そしてそれらを七つの海にばらまいた。こうしてクロノスは天地の統治者となった。彼は王位につくと、レアを女王にした。そしてガイアを女神の座につけた。
 ガイアは全ての生物を創った。クロノスはレアによってデメテルとヘラとヘスティアプルトンを産み、三人の娘と一人の息子を飲み込んだ。レアは二人の息子、ゼウスとポセイドンを産むと、テテュスにあずけた。そして子馬と石を産着に包んだ。そしてクロノスはそれらを飲み込んだ。