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 ゼウスとポセイドンは、テテュスのもとで成長した。そして二人はクロノスを倒しに来た。その時アトラスとコイオスとイアぺトスがクロノス側に付き、プロメテウスがゼウス側についた。そしてオケアノスは戦いに加わらなかった。アトラスは山を持ち上げると、投げようとした。するとポセイドンが、その山に岩を投げつけた。すると山はアトラスの頭上で砕けた。アトラスは悲鳴をあげて逃げて行った。ポセイドンはアトラスの後を追おうとしたが、コイオスが彼の前に立ち塞がった。そしてコイオスは体から強烈な光を放った。そして目がくらんだポセイドンを殴り始めた。その時、沢山の蛇がコイオスを絞め殺した。それらの蛇はプロメテウスの左腕から生えていた。そして蛇達は引っ込んで消えた。その時プロメテウスの父イアぺトスがそこに来た。するとプロメテウスは戦意喪失した。イアペトスはプロメテウスに「君は何故我々と戦うのか。なぜ今戦いをやめたのか。もし君が、正義は君達にあると思っているなら、私が肉親であっても、君の仲間と共に我々と戦え」と言った。そしてプロメテウスはイアペトスと戦い始めた。彼らはそれぞれの右腕から鷲を発射した。するとプロメテウスの鷲がイアペトスの鷲をうち砕いた。そして彼らはそれぞれの左腕から蛇を発射した。するとプロメテウスの蛇がイアペトスの蛇をうち砕いた。そしてプロメテウスの蛇はイアペトスを絞め殺した。
 その時ゼウスはクロノスの城で彼と向き合っていた。ゼウスはクロノスに雷を投げつけたが、次の瞬間、いきなりクロノスのすぐ前に立っていて、彼自身が投げた雷を後ろから食らった。そのときポセイドンとプロメテウスがそこに来た。その時クロノスは階段の上にいた。ポセイドンはその階段を駆け上がって、クロノスを殴ろうとした。しかし次の瞬間、彼は階段の下にいた。それから彼はクロノスに跳びかかって、パンチの連打をしようとしたが、次の瞬間、元の場所で壁を砕いていた。そしてクロノスがいきなり彼の背後にいた。そこでポセイドンが振り向いて殴ろうとしたが、その時はすでにクロノスに蹴られていた。そして彼は吹っ飛ばされて、彼自身が開けた穴から落ちて行った。そしてクロノスはゼウスとプロメテウスの方を向いた。するとゼウスは天井と柱を雷で撃つと、プロメテウスと共に窓から飛び降りた。そしてクロノスの城は崩れた。
 ゼウスとプロメテウスは馬車に乗って走り始めた。プロメテウスが見回した時、クロノスは走って追いかけて来ていた。その走る速さは馬の様に速かった。二人の馬車が角を曲がった。クロノスも底で曲がった。その時プロメテウスは鷲と共に、クロノスの後の上空にいた。彼はクロノスに向かって槍を投げた。その槍は彼の背中で跳ね返された。そしてクロノスは振り向いた。プロメテウスは、クロノスの体は固いが目は固くないだろうと考えて、彼の目を刺そうとした。すると槍は地面に刺さった。同時にクロノスがいきなりプロメテウスの背後にいて、彼を蹴った。プロメテウスは吹っ飛ばされて、左手が蛇を生やして馬車に絡ませて乗り込んだ。そして二人は岩山を通り過ぎた。その時ゼウスが岩山を砕いた。そしてクロノスは生き埋めになった。そして二人は崩れていく岩山から逃げた。その時突然、岩が飛んで来て馬車に当たった。馬車はひっくり返り、馬達は逃げた。クロノスが来て馬車を調べた時、その馬車は空であった。彼は周りを見回すと、ゼウスを見つけて後を追った。その時彼は一匹の蛇を踏んだ。すると同時に地面が爆発した。彼はクモの巣のような、沢山の蛇に取り囲まれていた。そして沢山の羽根が彼めがけて発射されて、近くの岩山の中で爆発した。クロノスは見回すと、ゼウスとプロメテウスと、プロメテウスの左腕から生えた無数の蛇を見た。それからそれらの蛇がクロノスに絡みついた。ゼウスはプロメテウスと共にジャンプすると、それらの蛇を掴んで、電気を起こした。クロノスは悲鳴をあげた。その時ゼウスが、崖から突き出た岩の上に蹴り落とされた。そして全ての蛇が引き千切られた。それらは同時であった。プロメテウスは走って逃げた。彼は逃げながら、なぜ全ての蛇が同時に引き千切られたのかと考えた。彼は岩の上に跳び乗った。その岩は無人であった。そして彼が更に逃げようとした時、クロノスが突然彼の前にいて、彼を蹴った。そしてプロメテウスは地面の上に落ちた。その時ポセイドンがプロメテウスの前にいた。ポセイドンは、プロメテウスの背後から近付いて来るクロノスを見た。プロメテウスはポセイドンに向かって「クロノスは時間を止められるんだ! いったん退いて作戦・・・」と叫んだが、その時ポセイドンの横を風が吹いた。彼が思わず振り向くと、プロメテウスが飛ばされて行って、彼の背後の岩に叩きつけられていた。ポセイドンは再び正面を見た。その時クロノスは、それまでプロメテウスがいた場所にいた。そしてポセイドンの方に歩いて来た。そしてポセイドンもクロノスの方へ向かった。クロノスは「私は時間を止められる。それでも私と戦うか」と言った。ポセイドンは「その前にお前をぶちのめす」と言った。そして二人は殴り合いを始めた。クロノスの体は岩の用に固かった。ポセイドンは負けそうになって蹴り倒された。そしてクロノスがとどめを刺そうとした。その時ゼウスの雷がクロノスに当たった。するとクロノスは馬と石を吐き出して、ポセイドンに殴られた。そしてクロノスは逃げ出したが、もはや彼の走る速さは馬のようには早くはなかった。ポセイドンは彼に追いついた。するとクロノスは体から火を吹き出した。ポセイドンは地面から水を噴き出させて、火を消した。クロノスは地面から茨を生えさせるとポセイドンに絡ませた。そして彼を絞め殺そうとしたが、デメテルを吐き出した。同時に茨も消滅した。ポセイドンはクロノスを投げ飛ばした。その時クロノスは、ゼウスとプロメテウスが乗り捨てた馬車が丘の上にあり、アトラスが谷底に隠れているのを見つけた。クロノスはポセイドンに沢山の岩を投げつけた。その内の一つが馬車に当たった。そしてその馬車は坂を下り始めた。ポセイドンはクロノスに近付いて殴ろうとした。その時彼の背後を馬車が通り過ぎ、同時に彼は地面を殴った。なぜならクロノスが同時に消えたからである。ポセイドンは周りを見回した。その時クロノスは馬車に乗っていた。ポセイドンは岩を投げた。その岩は馬車に当たって叩き壊した。クロノスは落ちてプルトンを吐き出した。彼は這って逃げた。その時ポセイドンが突然前に現われて蹴ろうとした。その時クロノスは「時間よ止まれ」と命じたが、ポセイドンに蹴られた。ポセイドンは「プルトンを吐き出しただろう。もはや時間は止められない」と言った。クロノスは転がされて、ヘラとヘスティアを吐き出した。ポセイドンは、彼にパンチの連打を打った。そしてクロノスは血塗れになって飛ばされて行ったが、彼は勝ち誇って笑っていた。その時ポセイドンは、クロノスが飛ばされて行く方向に、アトラスが隠れている事に気付いて、慌てて走り出した。が、クロノスは落ちるとアトラスを飲み込んだ。そして立ち上がると「アトラスは最強の男であったが、最低な臆病者でもあった。しかし私がその力を使うのは良い事だ」と言った。そこにポセイドンが来た。その時クロノスは地面を捲り上げて持ち上げた。地面が傾いて坂道になったので、ポセイドンは転がり落ちた。そして空が暗くなった。ポセイドンが見上げると、両肩に山を一つずつ担いでいるクロノスが上空にいた。彼は一つの山をポセイドンに投げつけた。ポセイドンは間一髪で脱出した。クロノスはもう一つの山を投げた。ポセイドンは、渾身の力を込めて、その山めがけて丘を投げた。山と丘は共に砕けた。クロノスは落ちて来て、ポセイドンはクロノスめがけて跳び上がった。そして二人は殴り合いを始めた。クロノスはポセイドンのパンチを食らいながら、にやりと笑うと、ポセイドンを一撃で叩き落とした。ポセイドンは大地に落ちた。その時彼は虫の息であった。クロノスは着地すると、ポセイドンにとどめを刺そうとしてやめると、天に向かって言った。
 「母上よ。見て下さい。私は最強の男だ。見よ。私は今この男にとどめを刺す。」
 その時ゼウスが現われて言った。
 「その前に私を倒すがよい。」
 するとクロノスは答えた。
 「それも良かろう。」
 そして彼はゼウスに近付いて行った。その時ゼウスが彼を雷で撃った。クロノスはダメージを受けて崩れ落ちた。そして立ち上がりながら、ゼウスの能力は危険だが、クノロス自身がその能力を使うのは良いだろうと考えた。そして彼はゼウスに跳びかかって口を開けた。その時ゼウスは紐の端をクロノスの口に投げ込み、もう一方の端を足に投げた。するとクロノスはその紐と足を飲み込み、脚部、腰、腹、胸、そして最後に唇を飲み込んで、消滅した。