58

 ゼウスは「我々に似せて、人間を造ろう」と言った。するとプロメテウスは大地から土を採ると、彼自身の血で捏ねて、人を形作った。アベルが人の鼻から命の息を吹き込んだので、人は生きるものとなった。そしてそれはデメテルの中に入れられた後、月満ちて産まれた。それは世界暦元年十月十日の、一時三分八秒の事であった。その時月は金牛宮十三度四十七分三十六秒にあり、水星は天蠍宮十九度三十分三十六秒にあり、金星は天蠍宮十度三十八分五十一秒にあり、太陽は天蠍宮十三度四十七分三十六秒にあり、火星は金牛宮四度三十三分二十四秒にあり、メティデスは宝瓶宮十二度二十分五十八秒にあり、木星処女宮七度七分十六秒にあり、土星処女宮十八度十三分一秒にあり、そして春分点金牛宮二十七度四十分五十四秒にあった。プロメテウスは人をエピメテウスと名付けた。デメテルはあらゆる種類の、果物が実る木を創った。アルテミスとポセイドンは土を捏ねて、エピメテウスのペットとなる動物と鳥を形作り、アベルがそれらに命の息を吹き込んだので、それらは生きるものとなった。そしてヘラはエピメテウスが着る服を作った。