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 ある日神々はパーティーを開いた。その時エピメテウスはプロメテウスの入れ知恵で、当たりくじを引いた。それからゼウスは彼に、火の使用を禁じた。しかしプロメテウスは逆らって、火を彼に与えた。ゼウスは「そんなに人が可愛いのか。しかしアベルの命の息は、土塊に過ぎない肉の中には、長くはとどまらない。彼には女が必要だ。彼自身に子供を産ませるのだ。彼の跡継をいちいち造っていたら、デメテルの体がもたないだろう」と言った。ゼウスはエピメテウスを深い眠りに落とすと、肋骨を一本取り出して、傷口をその肉で塞いだ。ヘファイストスは、土を全ての神々の血で捏ねて、エピメテウスの肋骨を芯にして、アフロディテの指揮の下で女を形作った。アベルが命の息を花から吹き込んだ。そしてデメテルの中に入れられ、世界暦八年四月十二日の二十二時四十分十一秒に、月満ちて産まれた。その時月は金牛宮十七度十八分五十二秒、水星は金牛宮十九度二十分二十八秒、金星は金牛宮二十三度三十九分十八秒、太陽は金牛宮十七度十八分五十二秒、火星は獅子宮二十五度二十三分十八秒、メティデスは巨蟹宮六度四十八分五十七秒、木星双魚宮二十四度二分五十九秒、土星は天蠍宮二十三度五十分三十八秒、そして春分点金牛宮二十七度三十五分二十八秒にあった。彼女はパンドラと名付けられた。それは「全ての贈り物」という意味である。そして彼女はエピメテウスに与えられた。