66

 しかしその頃、人の悪事が地に満ちていた。その時、巨人達が地で力を増していた。彼等の体は青銅の鎧のようであり、その心臓に魂は無く、代わりに玉座があった。そして彼等は背中から、塔に繋がる尾を生やしていた。人がその心臓に座ると、その巨人を動かせた。巨人達は神々に戦いを挑んだ。その戦いはギガントマキアという。巨人達は、天に岩や燃える木を投げつけ、山を重ねて天に昇ろうとした。するとゼウスが彼らに雷を投げつけた。ファエトンが無免許で太陽の馬車に乗り込んで、操作を誤って暴走させて、世界各地を火の海に変えると爆発した。神々は、巨人達の本拠地のパレネに攻め込んだ。彼等はアベルアポロン、アレス、ディオニュソスヘファイストス、ヘルメス、ポセイドン、そしてゼウスであった。そしてそこにいた巨人達の名はアルキュオネウス、エンケラドス、エフィアルテス、エウリュメドン、エウリュトス、グラティオン、ヒッポリュトス、ミマス、パラス、ポリュボテス、ソシテポルフュリオンであった。アレスが真っ先に攻撃を仕掛けていったが、アルキュオネウスに遥か彼方に蹴飛ばされた。アルキュオネウスは尻尾を引き摺りながら神々にかかって行った。彼は最強の巨人であった。神々は逃げ回るだけしか出来なかった。ゼウスはアベルに「近くにヘラクレスが住んでいるので、呼んでくれないか」と言った。するとアベルヘラクレスを呼びに行った。その時アルキュオネウスがアベルの後を追おうとしたが、ほかの神々が後ろから撃った。するとアルキュオネウスは振り向いて、神々を襲い始めた。その時、ヘラクレスに矢を射られて倒れたが、再び立ち上がった。その時アベルが「巨人はここに居る限り不死身だ」と言った。その時ヘラクレスはアルキュオネウスを引きずってパレネから連れ出した。するとアルキュオネウスの尻尾が切れて、彼は死んだ。すると巨人たちは逃げ出した。アベルは逃げていくエンケラドスの上に、梃子の原理でシチリアを投げた。そして彼はパラスの名を聞くと、そこに行った。しかしそのパラスは巨人であって、外の娘には似ていなかった。するとアベルは逆上してパラスの皮を剥いで、自分の楯にして「パラスよ。私は二度と貴女を離さない」と言った。アポロンは黄金の矢でエピアルテスの目を射た。アルテミスは先走って、我先に攻め込み、銀の矢でグラティオンを射たが、レトに首根っこを捕まれて、家に戻された。グラティオンはハリネズミようになって倒れた。ディオニュソスはテュルソスという、彼の杖でエウリュトスを打った。へファイストスは鎚をミマスに投げつけた。ヘルメスは罠を仕掛けて、罠にかかったヒッポリュトスを後ろから打った。ポセイドンはコスまでポリュボテスを追って行き、コス島の一部を引き裂いて、逃げるポリュボテスの上に投げ落とした。それは現在ニシュロンと呼ばれている。ポルフュリオンは去れらを見ると、人質が必要だと考えてヘラを捕まえに行こうとした。するとゼウスが雷で彼を打った。巨人の王エウリュメドンは、致命傷を負うと、心臓をキリキアに射出してから、火山の様に爆発した。その心臓はクレーターの中に落ちた。すると、青銅で出来た怪鳥テュフォンが、そのクレーターから飛び出して、神々の陣営に飛びながら、火と硫黄を産む卵を落とした。その時神々はエジプトに逃げた。テュフォンは追って来た。そしてハイモス山の上空に来た時、ヘラクレスがゼウスの王錫を槍のように投げつけた。すると王錫はテュフォンを貫いて、そのまま天に消えた。そしてテュフォンはバラバラになって吹き飛び、そして墜落した。そしてハイモス山は大量の血で染められた。巨人族との戦いは終わった。そして全ての星々は流れ去り、闇と氷が地を覆った。こうして地は呪われた。そして人の命は千年から百二十年に縮められた。

 その翌年、メトセラが生まれた。