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 エノクは世界暦六百八十八年七月二十二日の十九時四十分二秒に、ダネルの娘エドナによって、メトセラを産んだ。その時、月は獅子宮十九度三十分九秒にあり、水星は処女宮十三度四十分十四秒にあり、金星は巨蟹宮七度五十八分三十六秒にあり、太陽は獅子宮十九度三十分九秒にあり、火星は巨蟹宮六度十七分三十一秒にあり、メティデスは処女宮二十度五十五分六秒にあり、木星巨蟹宮二十七度七分四十八秒にあり、土星人馬宮十九度五十二分五十五秒にあり、そして春分点金牛宮十八度八分五十二秒にあった。

 エノクは息子バラキエルも産んだ。バラキエルの娘はバテノスであった。

 メトセラは世界暦八百七十五年一月十四日八時五十七分十一秒に、エズラエルの娘エドナによってラメクを産んだ。その時月は獅子宮十五度五十三分五十六秒にあり、水星は宝瓶宮十二度十八分四十九秒にあり、金星は双魚宮十五度五十分六秒にあり、太陽は宝瓶宮十五度五十三分五十六秒にあり、火星は獅子宮五度五十四分二十一秒にあり、メティデスは巨蟹宮七度五分三十二秒にあり、木星は白羊宮三度三分三十二秒にあり、土星は白羊宮二十二度二十六分五秒にあり、そして春分点金牛宮十五度三十三分三十二秒にあった。

 メトセラは息子ラケエルも産んだ。ラケエルの娘はエムザラであった。

 アダムは世界暦九百三十一年に死んだ。

 エノクは世界暦九百八十八年の、一月一日、或いは七日に天に昇り、三十日間アベルアポロン、そしてヘルメスに学んで、その三十日間の間に本を書いた。そして彼はその本と、永遠の若さを与える光輪を、息子メトセラに与えた。エノクはメトセラに「人の罪が天にまで達した時、お前は死ぬであろう。その時ゼウス様が全ての人々を裁く。そして正しい人は神々とともに永遠の喜びに生き、罪人は清められるだろう」と言って、再び天に昇った。そして彼は神々の秘書となった。彼は永遠に生きて、天と地の全ての事柄を書き留めるであろう。

 セツは世界暦千四十三年に死んだ。

 ラメクは世界暦千五十九年九時五十七分十九秒に、バテノスによって息子を産んだ。彼は「神樣が地に下した呪いが我々の働きと苦労から取り去られるであろう」と言って、ノアと名付けた。その時月は処女宮十四度七分四秒にあり、水星は白羊宮二度五十七分五十七秒にあり、金星は白羊宮二十九度十八分十二秒にあり、太陽は双魚宮十四度七分四秒にあり、火星は金牛宮二十五度九分三十五秒にあり、メティデスは天蠍宮十八度五十二分三十九秒にあり、木星天秤宮十四度四十七分二十七秒にあり、土星巨蟹宮二十六度二十六分三十六秒にあり、そして春分点金牛宮八度〇分十二秒にあった。その同じ年に、再び春が訪れた。

 私エノスは世界暦千百四十一年に死んだ。その時私は九百五歳であった。地の人々は三十日間私の死を悼んだ。それ以後、私のような、神と顔を合わせて語った教皇は出なかった。神が私に対して起こしたような、不思議な奇跡は地の人々に下されなかった。私のように、偉大な教皇はもはや現れなかった。そしてラメクが私の後を継いで、二代目の教皇となった。

 カイナンは世界暦千二百三十六年に死んだ。マハラレルは世界暦千二百九十一年に死んだ。ヤレデは世界暦千四百二十三年に死んだ。

 ノアは世界暦千五百五十七年に、エムザラによって三つ子のセム、ハム、ヤペテを産んだ。その三つ子はどういう訳か、アジア人と黒人と白人であった。セムはザデクテレバブを娶り、ハムはナハラテメヒカを娶り、そしてヤペテはエダテネジザを娶った。彼らの嫁も、それぞれアジア人、黒人、そして白人の娘であった。

 ラメクは世界暦千六百五十二年に死んだ。そしてラメクの子ネルが、三代教皇となった。

 さて、私は長く書き続けてしまったが、ここで終わらせるべきであろう。なぜなら私エノスはすでに死んでいるからだ。それではここで、筆を置くとしよう。