70

 マトゥサラは「神樣はいつ産まれたの」と尋ねた。プロメテウスは「我々神と、君たち人間は、同じ種族だ。我々ホモ・サピエンスはが進化の過程で産まれたんだ。我々の祖先は超古代文明を築いたが、それは戦争で滅びた。その時大きな爆発が起こって、原始地球の一部が千切れて月になった。その時一人の男が宇宙に逃れて生き残った。そして再び地球に戻った時、奇跡的に生き残った女性を見つけて娶った。その男がウラノスで、女はガイアだった。その時地球は不毛の大地となっていた。後に、その戦争が天地創造と名付けられた。ガイアはハレヘマツァエルという培養槽のような機械を使って多くの動植物を造った。しかしウラノスは『地球は大きな火で浄化されたというのに、お前は再び汚そうとしている。酸素と食料は私の家で作れる。汚らしい害虫は嫌いだ』と言った。それはガイアを悲しませた。それでガイアの息子クロノスがウラノスを殺して、王となった。そして彼は魚達を海に放し、植物達を地に植えて、鳥達を空に放し、動物達を地に放した。そして自然が蘇った。それは楽園のようであった。そして彼は『文明を捨てて自然に帰ろう』と言った。その時私はゼウスと共に、彼と戦った。なぜなら私は便利さを捨てたくなかったからだ。そしてクロノスに勝った」と言った。マトゥサラは「もし文明を捨ててしまったら、闇に怯えなければいけないし、いるはずもない悪魔を恐れなければいけないし、医者がいれば助かる病人も、死ななければいけないわ」と言った。プロメテウスは「私とゼウスはオリュンポス王朝を築いて、そして彼が王の座に就いた。そして彼は働き手を欲して、犯罪者であった私の弟のエピメテウスを洗脳して、神性を封印する遺伝子を組み込んで、アダムと名付けた。私は彼を哀れに思って洗脳を解いた。私にとって弟だからだ。しかしゼウスは私を見逃してくれた。そして彼はエバを造ろうと計画した。記録には、エバはアダムの肋骨から造られたと書いてあるが、実は亡き妻メティスの遺髪から造られた。エバはメティスに生き写しであったが、本物のメティスは甦らなかった。我々は魂がどこから来るのか、ガフの部屋がどこにあるのかを知らない。そもそも魂が存在するのかどうかも知らない。が、ヘラはエバの顔を見ると、逆上してハレヘマツァエルを壊した。故にエバが最後の被造物だ」と言った。