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 プロメテウスは「オリュンポス王朝は、便利さばかりを追って、原始文明のように自然を破壊し始めた。そこで私は、地球はまた滅びると言ったが、私は蛇に変えられて、地上に落とされた。その後、ギカントマキアが起こって、地球は滅びかけた」と言った。マトゥサラは「私の父ガニュメデスは、ベレロフォンの子で、ベレロフォンはカドムスかアイネアス、先祖達の本が家には二種類あって、この代は名前が二通り書いてあるの。その人の父はフィレモン、その父はメランプス、その父はフォロネウス、その父はエピメテウスよ。それ以上はさかのぼれないわ。ベレロフォンは、私が産まれる前に、神々の家が地上に落ちるのを見たわ。それは巨大な燃える銀の柱みたいだと言って他の。それは雲を突き抜けて来て、街の上に落ちたの。空が落ちるように見えたらしいわ。その時そこで、沢山の太陽が輝いたように見えて、それから白い暴風が吹いて来て、景色が再び見えるようになったら、沢山の屑が真っ黒な空から降っていたの。神の家は地面に突き刺さって、塔みたいに空に伸びていたの。その後地震が何度も続いて、一年中が冬になったの。私はその翌年に産まれたの」と言った。プロメテウスは「神は千年ほどの寿命を持っているが、不老遺伝子と、不被傷害遺伝子を発現すれば、永遠に生きる事も出来る。人も本来は同じであるが、人の不老遺伝子と不被傷害遺伝子は遺伝子操作によって強固に封印された。しかし君の髪飾りはその封印を取り除く」と言った。マトゥサラは「神の子と人の娘の間に産まれた子供は沢山いるけど、神の娘と人の子の間に産まれた子供はいるの」と言った。プロメテウスは「いる。それは神の娘テティスと、人の子ペレウスの息子のアキレウスだ。彼は決して傷つけられなかったが、不死身であるが故に死んだ。かれは決して傷つけられる事は無いので、胃潰瘍の手術が出来なくて、名医アスクレピオスでさえも、彼を切る事が出来なかった」と言った。