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 その時、トバルはヤクザメント・シティに、新しい武器を買いに来た。彼が酒場にいた時、猫 がピアノで、ショパンエチュード12番ハ短調を弾いていた。トバルはその猫に気がつくと、つまみ出した。町の主婦が彼に「あなたはトバルですか。三日も前から犬 がジャングルじむの上に置き去りにされているのよ。助けてあげて」と言った。そしてトバルはその場所に行った。すると、一匹のシベリアン・ハスキーがジャングルジムの上にいた。トバルはジャングルジムに登って、その犬を抱いた。その時、マトゥサラがDIOと呼んだ猫が来て二本足で立つと、ジャングルジムを蹴った。するとトバルと犬はジャングルジムから落ちた。そして犬は逃げて行った。トバルは犬の後を追ったが、見失った。

 そのシベリアン・ハスキーは、大きな家の前に来た。その時、二人の男がその家の前にいた。彼らの名はコックとパンダであった。コックはモヒカン刈りで、髪を赤く染めていてた。そしてパンダは目の周りに刺青をしていて、太っていた。彼らはヤクザ であった。彼らはそのハスキー犬を捕まえると「憎たらしい顔だ」と言っていじめ始めた。その時一人の男が大きな家から出て来た。かれはヤクザの親玉であり、カインの末裔であった。名はレメクであり、また、その顔の刺青から、狼とも呼ばれていた。もっとも、その刺青は、狼と言うよりも、シベリアン・ハスキーのようであった。レメクは二人の所に来ると、犬いじめをやめさせると、その犬を撫でて「お前は世界一イケメンの犬だ。お前の名はリュカオンにしよう。俺たちは一心同体だ」と言った。まさしくレメクとりュカオンは瓜二つであった。