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 マトゥサラとバトラーチェは休息をとっていた。その時レメクと手下達が二人の前に来た。コックは空中に飛び上がって、沢山の羽根をマトゥサラめがけて撃ち出したが、彼女は飛び退いた。パンダはバトラーチェを殴ろうとしたが、バトラーチェは鳥に変身して飛んだ。するとコックがバトラーチェに飛びついて捕まえると、バトラーチェは岩に変身して、コックと一緒に落ちた。その時マトゥサラが木の上にいたので、パンダはその木を引き抜いて振り回し始めた。マトゥサラは木から落ちた。するとパンダが木を彼女の上に叩きつけようとした。その時花瓶がパンダの顔に当たった。パンダは木を落として、周りを見回して「誰だ」と叫んだ。すると、一本の木の上に、タキシードを着て、蛸のお面をつけた男がいた。その男はパンダに「私は名も無いこじきです。ミスター・ルンペンと呼んでいただきたい。どうか私にお恵みを」と言った。パンダは「アホぬかせ!」と叫んだ。が、レメクはパンダの肩に手を置くと、ミスター・ルンペンの前に来て「おれはレメクだ。カインのための復讐が七倍なら、俺のための復讐は七十七倍だ」と言った。するとミスター・ルンペンは機関銃を取り出して、レメクに向けて撃った。するとレメクと仲間達は逃げて行った。マトゥサラはミスター・ルンペンの方を向いた。すると彼はマトゥサラに「君の恵みに感謝します」と言って、マントを翻して跳び去った。一人残ったマトゥサラは呆気にとられて「あの人は何者なんだ!」と叫んだ。そしてバトラーチェを呼ぶと、マドリードに向かって歩き始めた。

 二人が砂漠来てしばらくすると、レメクとその仲間達が再び襲って来た。彼らは二人の周りを走り回って、砂煙を立てた。そして二人を攻撃しようとしたが、砂煙が濃くて、二人を見つけることが出来なかった。コックが「砂煙は俺達の姿だけを隠さないのか」と言うと、パンダが「俺達も奴らが見えないじゃないか」と言った。その時レメクは「フォーメーション、下手な鉄砲数撃ちゃ当たるだ。手当たり次第に撃て」と言った。そして彼らは砂煙の中で滅茶苦茶に暴れ始めた。その時マトゥサラとバトラーチェはマドリードに向かって走っていた。砂漠では、その後もレメク達はまだ砂煙の中で暴れていた。