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 翌朝、マトゥサラは狩に行こうとしていた。その時バトラーチェは猫の山の下でうなされていた。彼は夢の中で、猫の海で溺れていて、マトゥサラはボートに乗って、遠くへと離れていっていた。そして猫で出来た津波が向かって来た。そして家中にバトラーチェの悲鳴が響き、バトラーチェは猫の塊と一緒に階段を転がり落ちて、マトゥサラの前に転がって来た。するとマトゥサラは笑った。

 マトゥサラは牛を見つけると、矢を放った。しかし矢は全て狙いを外れてしまった。そこで彼女は牛にそっと忍び寄った。そして牛の鼻の穴に指を入れて、頭をポカポカと叩いて逃げた。すると牛が彼女の安登を追った。マトゥサラは崖の前に来ると、横に曲がった。そして牛がそこに来て空中に飛び出して、落ちて行った。マトゥサラは、その崖を、岩から岩へと跳んで駆け下りた。そして崖の底まで来ると、牛は頭から地面にめり込んでいた。そこは彼女の家の前であった。そして彼女は牛を家に引っ張り込んだ。

 沢山の皿が床に並んでいた。そして沢山の猫がその皿から食べていた。マトゥサラはもう一枚の皿を床に置いた。そして何匹かの猫がその皿に集まった。その時バトラーチェは部屋の隅でぼやいていた。その時一匹の猫がバトラーチェの膝に跳び乗った。そしてバトラーチェの悲鳴が家中に響いた。するとマトゥサラはバトラーチェを見て笑い転げた。