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 十二月二十五日、マトゥサラはケーキを買いに行った。その時レメク達がケーキ屋に来て、店員を脅してケーキを作らせていた。彼らはジングル・ベルを歌って、踊っていた。そこにマトゥサラが来た。レメクは「おい姉ちゃん。大食い競争でもしようか」と言った。するとマトゥサラは「いいわ。私ケーキ大好き」と言った。そこでパンダが出て来てテーブルについた。そしてマトゥサラも、反対側に座った。そして二人の間に大きなケーキがいくつも置かれた。そして二人は食べ始めた。暫くして、マトゥサラはパンダのケーキに、隙を見てタバスコをかけようとした。その時同時に、パンダもマトゥサラのケーキにタバスコをかけようとしていた。そして二人が持ってるタバスコのビンが、互いにぶつかった。そして二人は互いにケーキを投げつけ始めた。そしてレメクとコックもパンダに加わった。そしてバトラーチェがマトゥサラに加わった。彼らはケーキを互いに投げつけていたが、二対三であった。マトゥサラとバトラーチェは店の外に追い詰められた。レメク達は、特大ウエディングケーキを投げようとした。その時、プレゼントの入った袋が彼らの上に落ちた。そして彼らは見上げた。するとそこには沢山のサンタ・クロースが信号機の上にいた。しかしよく見ると、本物は一人だけで、他のサンタ達は後ろにあるポスターの絵であった。サンタ・クロースは「メリー・クリスマス。これが君達へのプレゼントだ」と言って、爆弾を投げた。レメク達は慌ててそれを投げ返した。するとサンタ・クロースは慌てて逃げようとした。そして爆弾が爆発した。そして黒ずくめの若い男が煙の中から落ちて来た。それはトバルであった。するとマトゥサラは「いい男だわ! この人が私へのクリスマスプレゼントかしら!」と歓声をあげた。レメク達は「トバルめこの尼の見方か。お前殺し屋じゃなかったのか。カイン族の面汚しだ。ダマスコのパウロみたいな出来事でもあったのか」と罵った。するとトバルは立ち上がって、マトゥサラとバトラーチェの前に来ると、レメク達に「彼女に手は出させない」と言って、ケーキを一つ拾うと、レメク達にぶつけた。そしてマトゥサラとバトラーチェと店の人達が、レメク達にケーキを投げつけ始めた。するとレメク達は多勢に無勢で逃げて行った。マトゥサラはトバルに「いつも助けてくれて、有難う」と言うと、トバルは「勘違いするな! お前を殺すのはこの俺だ! 他の奴に手は出させない!」と叫んで、跳び去った。するとバトラーチェは「敵はどう転んでも敵だ。あんたの味方はこの世界一イケメンのカエルだ」と言って、自分を指差した。するとマトゥサラは「カエルはブサメンだわ」と叫んでバトラーチェにケーキを叩きつけた。そして「でも嫌いではないわ。面白い格好だもの」と呟くと、トバルが跳び去った方向を向くと、すっかり舞い上がって「愛しの貴方。いつでも殺しにいらっしゃい。私はいつでも貴方を歓迎するわ」と言って手を振った。その時トバルは、どうやったのかは不明だが、反対側にあったゴミ箱の中から現れて、マトゥサラの後姿を見ると「やれやれ」と呟いて、ホテル・タイガース・アイに行った。