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 一月九日、マトゥサラとバトラーチェはテレビを見ていた。二人が見ていた番組には、カエルの頭を持つ、人間のようなロボットが出ていた。そのロボットはディフダであった。ディフダはショルグフという、オタマジャクシ型の飛行機に変形 する。まず最初に目が引っ込んで、上腕が前腕の中に引き込まれて、爪先と踵が閉じて、大腿部が下腿部の中に引き込まれて、胸が跳ね上がって背中と一体化して円盤型になり、同時に頭がその円盤の中に収納されて、腕は肩を軸にして回転してその円盤の中に収納されて、腰パーツは前方に折れて胴の切り口が円盤の底面にくっつき、脚部が前方を向いて円盤の底面にくっつき、ロケットノズルが現れ、尻尾が背中から飛び出して真っ直ぐになって伸びて、こうしてオタマジャクシ型の飛行機になる。

 その時バトラーチェがマトゥサラに「ディフダとショルクフってどんな意味なんだ」と聞いた。するとマトゥサラは「ディフダはアラビア語でカエルで、ショルグフはアラビア語でオタマジャクシという意味なのよ」と言った。するとバトラーチェがアザラシサイズのオタマジャクシに変身して「ママ、おっぱいちょーだい」と言った。するとマトゥサラは「何て大きな赤ちゃんなの。カエルは哺乳類じゃないわよ」と叫んで笑った。そしてそのオタマジャクシはショルグフに変身した。そして下半分が、開いて左右に分かれて脚になって立ち上がり、二本の足が生えたオタマジャクシに似たショルグフ・ドリグレインになり、上半分の中から両腕が回転して現れて、四本足のオタマジャクシに似たショルグフ・ドゥアルゴルになり、そして上半分が立ち上がって二つに折れて胸と背中になり、同時に頭が現れて、ロケットノズルが収納されて、二本足で立った尾のあるカエルに似たディフダ・ドダナブになり、最後に尻尾が縮んで折れ曲がって背中に収納されて、二歩足で立ったカエルに似たディフダになった。するとマトゥサラは「変身出来るのにわざわざ変形する必要はないでしょ」と野次を飛ばして笑った。