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 ある日、天使が姿を隠して、地上の見回りをしていた。彼は豚を打った。するとその豚は二歩足で立ち上がって歩き始めた。豚は肉屋の看板を見た。その看板には、コック姿のブタの絵が描いてあった。すると豚は「こりゃひでえ!」と怒鳴ると、肉屋の中に殴りこんだ。アーティミドアはそこに来ると、その豚を見て「マンモンだわ!」と叫んで逃げ出した。そして、姿を消した天使に当たって、転んだ。そして起き上がって見回したが、そこには誰もいなかった。なぜなら天使は姿を消していたからである。そして天使は姿を見せた。そして「済まない」と言ってから、周りを見回した。そして「喋る豚はどこに行ったか知ってますか」と言った。その時、アーティミドアは、天使の輪を見て驚いて、思わず「変わったアクセサリーだわ」と言って、環を取って自分の頭の上に乗せた。するとその輪はアーティミドアの頭の上で浮いた。そしてその輪を返そうとした時、天使はすでに走り出していた。そこでアーティミドアは、天使の後を追ったが、見失ってしまった。そしてオリオンの家に来た。するとオリオンは、アーティミドアの頭の輪を見ると、驚いて「おい。お前死んだのか!?」と言った。するとアーティミドアは「私生きてるわ。幽霊じゃないわ」と叫んで、コップの水を飲んで見せた。オリオンが「ゾンビも水は飲めるだろ」と言うと、アーティミドアは早口で「始めに神は、天地を創造された! 地は形無く! 空しく! 闇が深淵の面に在り! 神の意思が水の面を動いていた! ゾンビは聖書なんか読めないわ!」と言った。オリオンは「分かった。お前は生きている。その頭の輪はどうしたんだ」と言った。アーティミドアは「今さっき天使に会ったのよ。私この輪を返さなきゃいけないわ」と言って、また出て行った。その時犬が吠えた。するとアーティミドアはびっくりして、思わず跳び上がった。するとアーティミドアの体は高く上昇した。アーティミドアは、月では4メートルジャンプ出来たのだが、それよりも高かった。アーティミドアはミナレットにしがみついた。その時天使がアーティミドアを見つけて、ミナレットの近くに来ると、腕を振った。すると彼ははしごを持っていた。そしてはしごをミナレットにかけると、昇った。天使はアーティミドアの所まで昇って来ると「有り難う。私の輪を見つけてくれたんですね。驚かせてしまって済まない」と言って、環を取ると、自分の頭に乗せた。その輪は天使の頭の上に浮いて、そこに留まった。天使はアーティミドアに「捉まりなさい」と言って、アーティミドアを抱き抱えると、地面に跳び下りて、地上に下ろした。そして「神の祝福あれ」と言って、天に昇った。