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 ある日、アーティミドアはホテルを出た。アーティミドアは、バスで図書館に行くのが習慣であったが、その日は桜が咲いていたので、桜の木の一つに駆け寄って「変なアーモンドだわ」と言って笑った。それから、図書館に向かって歩き始めた。その時、沢山の花が咲いていた。アーティミドアは、花の絵をノートに描いた。そして図書館に着いた。するとオリオンが図書館にいたので、アーティミドアは、変なアーモンドの話をした。するとオリオンは「そりゃ桜だ。アメリカの初代大統領のワシントンが、子供の時に蹴り倒した木だ」と言った。するとアーティミドアは吹き出すと「私、桜をのこぎりで切り倒したと聞いてたわ。スーパーマンなの?」と叫んだ。オリオンは、チケットを二枚取り出して「俺と一緒にボクシングの試合は見ないか」と言った。アーティミドアは、戸惑ったが「見るわ」と答えた。そして二人は外に出た。オリオンが「モハメッド・アリって知ってるか」と言った。するとアーティミドアは「知ってるわ。エジプトの英雄でしょ」と言った。オリオンは「アリがエジプトの英雄だったとは初めて聞いたぞ」と言った。アーティミドアは「その人マケドニアで生まれたのよ」と言った。オリオンは「アリはカブトムシの固い殻と、蟻の怪力を持つ、ボクシングの元チャンピオンだ」と言った。アーティミドアは「アリがボクシングをしていたとは初めて聞いたわ」と言った。二人はボクシングの試合会場に来た。すると、2本のヤシの木が、リングで殴り合いを始めた。