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 その夜、アーティミドアは、昼捕まえたザリガニを食べた。オリオンがアーティミドアに「それ、お前がサソリと間違えたザリガニだよ」と言った。するとアーティミドアは「聖書には、鱗を持たない魚を食べてはならないと書いてるから、ユダヤ人はザリガニを食べないわ。だけどこれ美味しいわ。ザリガニは、海のイナゴだと定義し直してもいいと思うわ」と言った。ステローペは「この食用ゴムも美味しいね」と言った。オリオンは「それはお前が昼捕まえたタコだよ」と言った。するとアーティミドアが大喜びで「あの火星人の子供ね!」と言った。するとステローペは食べた物をブッと吹き出してしまって、椅子ごと引っくり返った。そして立ち上がると「アホか何でタコなんか料理したんだよ!」と叫んで出て行った。オリオンは「あいつのおやじがイギリス人だという事を忘れていた。行きセリ崇神は、タコは悪魔だと思っているんだ」と言った。アーティミドアは「私、あの人のお父さんはオランダ人だと思ってたわ。タコに似た悪魔といったら、クラーケンが一番近いかしら」と言った。するとオリオンは、タコを指差して「この悪魔め! 食い殺してやる!」と言って、悪魔の名前を言いながら食べ始めた。アーティミドアはそれを見て笑った。その時、ステローペは一人でベッドに寝ていた。その後、オリオンは寝室に、幾つかの果物を持って行って、彼女に与えた。