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 その夜、オリオンの車はシャリア・クリオバトラ通りを走っていた。その道はスーサ・タウンに繋がっていた。アーティミドアはオリオンに「ステローペがスーサよりアララットの方がいいと行った時、何か普通じゃないような気がしたわ。スーサに何かあるかも知れないわ。たぶん一人でそこに行ってると思うわ」と言った。その時、オリオンはステローペを見つけて、車を止めた。そしてステローペは車に乗った。そしてオリオンに「ぼくがアララットの方がいいと行った時、あんた難しい顔をしたから、二人だけでスーサに行ったのかと思ってたんで、行ってきたんだ」と言った。オリオンは「アーティミドアが、君はスーサに何か因縁があるんじゃないかと言ってたんだが」と言った。するとステローペは「ぼくは叔父と二人でスーサに住んでたんだけど、何年か前にけんかになって、家出したんだ」と言った。アーティミドアは「お父さんには会えたの」と言った。ステローペは「おやじは引っ越してて、いなくなってた」と言って黙った。そして「少し休みたいけど」と言った。そこでオリオンは車を止めた。そしてステローペは車を下りた。その時、アーティミドアがオリオンに「付き添ってあげたら」と言った。そしてオリオンも車を下りた。アーティミドアは「オリオンはステローペのお父さんに似てるのかな」と呟いた。それからステローペは車に乗って来ると、アーティミドアに「スーサで、エジプトのケーキを売ってる店見つけたよ」と言った。そして、その店について教え始めた。