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 ある日、アーティミドアとステローペはショッピングに行っていた。その時ステローペがごみ箱を跳び越えた。するとアーティミドアは、驚いて呆れたが、彼女をカッコいいとも思った。そこでアーティミドアは、ごみ箱に向かって走り始めたが、心臓に痛みを感じて、急に立ち止まった。ステローペが来て「どうしたの」と言ったが、アーティミドアは「何でもないわ」と言って、再び走って、ごみ箱を跳び越えたが、片足がごみ箱の中に入ってしまい、ごみ箱ごと引っくり返った。ステローペが「無理じゃないの」と怒鳴って、アーティミドアを助け起こした。それからステローペは「これからオリオンの見舞いに行くけど、あんたも来るか」と言った。するとアーティミドアは「私も行くわ。連れてってくれる?」と言った。そして二人は歩き始めた。アーティミドアは「全ての物質は、それぞれの質量に等しい量の空間を吸収し続けているから、衛星は、流れ落ちてイク空間の中で等速直線運動を続けて、主星の周りを公転するのかしら」と言った。するとステローペは「違うよ。それが正しかったら、投げ上げた物は、初速と重力加速度の和に等しい速さまで、ゆっくり加速していくよ」と言った。アーティミドアは少し考えると「確かにそうだわ。それじゃ何が正しいのかしら」と言った。するとステローペが「知らないよ。ぼくはアインシュタインじゃないし」と言った。そして二人は病院に着いた。アーティミドアは、ネックレスを外すとオリオンに「これ、プラチナ製だから、これを売って、新しい車の代金にすればいいわ。・・・それから治療費もかしら」と言った。するとオリオンとステローペは驚いた。そしてステローペが両手をアーティミドアの肩に乗せて、何かを言おうとした。その時、アーティミドアは、心臓に痛みを感じてしゃがむと、そのまま意識を無くした。