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 二月十日、メトセラは死んだ。その日から七日間、太陽が西から昇って東に沈んだ。その時人々は悔い改めなかった。そして二月十七日、地割れが無数に発生して、地下水を吹き出した。そして月の表面にも無数の亀裂が発生して、大量の水が噴出した。それは豪雨となって、地上に降り注いだ。そして、パンゲアと呼ばれた大陸は、六つの大陸と、無数の島々に分かれて、海を漂い始めた。そして世界暦千六百五十七年三月二十九日に、雨は止んだ。世界暦千六百五十八年二月二十七日に、地上から水が引いた。ノアとエムザラ、セムとザデクテレバブ、ハムとナハラテメヒカ、そしてヤペテとエダテネジザは、船から下りた。その時ゼウスが「私はもはや地に洪水は起こさぬ」と言った。ゼウスは八人に、十個の聖杯を与え、天に虹を架けて「これがその約束の徴だ」と言った。そして次の世界が始まった。