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 一月二十二日、トバルはイランでの仕事を依頼された。マトゥサラは、彼について行った。しかし彼女は、エジプト以外のアラブ諸国には入国出来なかった。なぜなら彼女はイスラエルに行った事があるからである。その時バトラーチェが、一人の男に変身して、マトゥサラを絨毯にくるんだ。そしてトバルと共に、その絨毯を担いだ。バトラーチェは空港の係員に「おらはカエサルだ。どうだ。いい名前だろ」と自己紹介をした。するとトバルはむっとして「俺はブルートゥス。カエサルの息子だ」と自己紹介をした。するとバトラーチェが「お前みたいな不良は息子とは思ったらんわい」と言った。するとトゥバルも「お前みたいなクソおやじは父とは思っとらん。いつか殺してやる」と言った。

 イランでは、星条旗 が、ビルに描かれていた。その星条旗は、星が髑髏になっていて、筋がミサイルの飛行機雲になっていた。そして、絵の下に、ペルシア語で何かが書かれていた。バトラーチェがマトゥサラに「あの字は何と書いてるんだ」と聞いた。マトゥサラは「我々は、アメリカとは決して譲歩はしないと書いてあるわ。資本主義とイスラムの共存は難しいわね」と言った。その時トバルがマトゥサラの耳元で「君のアラビア語パレスチナ訛りがあるから、ここではペルシア語だけを話した方が好い」と言った。バトラーチェは一人の女性 を見て、マトゥサラに「イランの女は目が四つあるのか」と言った。するとマトゥサラは、何の事かと思って固まった。バトラーチェは「あいつ、目が顔に二つと腹に二つあるんだ」と言った。するとマトゥサラは「ボタンじゃないのかしら」と言った。その時、その女性が、やけに甲高い声で「止まれ止まれ止まれ止まれ・・・」と叫び始めて、そのまま歩き続けていた。そして頭を看板にぶつけると、彼女の腰が「ごめん。大丈夫か」と言った。その時一匹の犬が、彼女の足元に来た。すると彼女は上半身を置き忘れて、下半身だけで逃げ出した。下半身の正体は、一人の子供であった。そして上半身も立ち上がって、その子供について行った。上半身の正体も、一人の子供であった。マトゥサラとバトラーチェは笑った。イランは、乾燥した国なので、マトゥサラとバトラーチェは、外国人バーに入った。そのバーのマスターはクマソという名前であった。その時、彼の前に一人の女性が来た。するとマトゥサラは思わず「あの人男の人でしょ」と言った。するとその女性はベールを脱ぎ捨てた。その正体は、マトゥサラが言った通り男性であった。その男はヤマトと名乗って、クマソと戦い始めた。マトゥサラとバトラーチェとトバルは駅に来た。その時、列車が出て行くところであった。マトゥサラは、列車にパンチとキックを一発ずつ浴びせて「地獄に行け」と罵った。するとトバルは苦笑して「反対側の列車だ」と言った。そして三人は、反対側に止まっている列車に乗った。

 一月二十三日、レメク達はスウェーデンで、鎧を来た巨人に似た、巨大な人形 を発掘した。なぜならゴジラが海岸に出るからである。レメクは「俺たちがヒーローになったら、何でも思いのままだぜ」と言った。その巨人の胸の部分は、カバーに似ていた。そして、スイッチに似た物がついていた。レメクはそのスイッチのような物を押した。すると、胸のカバーが開いた。そしてその中は、部屋のようであり、玉座のような物があった。そこでレメクは、その玉座のような物に座った。すると、巨人の胸の中の部屋が明るくなった。そして、胸のカバーのような物が閉じた。そして巨人の頭部の中で、一つの目に似た物が光った。そして、漏斗に似た部分から、煙を噴出した。そして巨人は立ち上がった。そしてコックとパンダは、レメクの椅子の後ろで、石炭を炉に入れ始めた。すると巨人はゴジラと戦い始めた。三人が公園に来た時、マトゥサラとトバルの前に、空飛ぶ絨毯が現れて「おらはタクシーだ」と言った。するとトバルは驚いたが、マトゥサラが「これバトラーチェよ。乗りましょう」と言った。そして二人は絨毯の上に乗った。そしてマトゥサラは瓶を取り出して「レモンスカッシュよ。でも実はワインよ。闇市で買ったの」と言った。その時絨毯がいきなり飛び始めた。それでワインがこぼれて、絨毯にかかった。すると絨毯は赤くなって、狂ったように飛び始めた。マトゥサラは、大はしゃぎで笑ったが、トバルは必至で絨毯にしがみついていた。マトゥサラはトバルの鼻の穴に指を突っ込んだ。そしてトバルの悲鳴が響いた。そしてマトゥサラは大笑いをした。そして絨毯は墜落して、バトラーチェに戻った。彼は酔っぱらって寝ていた。マトゥサラは気絶していた。それでトバルはマトゥサラを負ぶって、バトラーチェを抱いて、宿に泊まった。