カエル大戦 i ジョーヴェ編

1

 ある時、赤い彗星はプレイアデス星団に来た。可住惑星であるゲロイア星が、原アステローペの回りを公転していたが、すでに先住民がいた。先住民は、ツァパルディアと呼ばれる、カエルのロボットと、ローシャンと呼ばれる、オタマジャクシ型の戦闘機を量産していて、それらが、赤い彗星から飛び出して来た燭台と戦った。ゲロイアの騎士であったジョーヴェ・トリシンメトリアは、自身のラナに乗って戦ったが、歯が立たなかった。戦いは、赤い彗星の勝利に終わった。ジョーヴェは、まだ幼かった息子と娘を養うために、敵の傭兵となった。ゲロイア星の王イノゴ・エノック・ガニメデス7世は「私が設計したツァパルディアとローシャンが敗れるとは・・・」と言った。赤い彗星がガスを取り払って、本体のシャンデリアが姿を現した。そして赤い彗星の王は、イノゴ7世に「ここから立ち去れ。これよりこの惑星は我々の物だ。答える前に我々の力を見よ」と言った。そしてシャンデリアはロウソクの一本から、おうし座ゼータ星の近くの星に向けてレーザー光線を発射した。そしてその星は超新星になった。その星の残骸は現在、蟹星雲と呼ばれている。そしてイノゴ7世は「あなた方にこの星を差し上げましょう。住民を脱出させるので少し待って頂きたい」と言った。そして住民は星から出始めた。そして最後の宇宙船が出た時、シャンデリアは降下し始めた。その時イノゴ7世はただ一人星に残っていた。そしてシャンデリアが地面に近づいた時に、起爆装置のスイッチを入れた。するとゲロイア星が爆発し、原アステローペはその爆発によって、アステローペIとアステローペIIの二つに分けられた。その時シャンデリアは半壊状態になった。そして修理が済むと、赤いガスに再びくるまって地球に向けて出発した。

 

 

1 解説

 この作品は、2018年の11月に書きました。

2

 9年後、ゲロイア星の騎士であったジョーヴェ・トリシンメトリアは、赤い彗星の傭兵となっていた。彼には二人の子供がいた。兄はマルテ・トリシンメトリアであり、妹はヴェネレ・トリシンメトリアであった。赤い彗星が地球の近くに来た時、ジョーヴェはCW-629-1R5(f)のラナ・ナスタ・オットに乗り、マルテはCW-629-2(f)のラナ・ナスタ・ドゥーエに乗り、ヴェネレはCW-629-3(f)のラナ・ナスタ・トレに乗って出撃した。ラナ・ナスタは地球のミツヅノコノハガエルというカエルが、二本脚で立ったような姿のロボットであった。一号機は、1を意味するウーノではなく、8を意味するオットという番号がつけられていた。右手に、節のある剣を持って、左手に機関銃を持っており、左胸に、2と、小さい3と、イコール、そして8が書かれていた。二号機はドゥーエと呼ばれていて、腰の左右に、脚部を取り除いたローシャンを付けていて、単独飛行が可能であり、右手には、巨大なトラバサミを持っていて、左胸には、小さい3の付いたルートの中に8が書かれた記号と、イコールと、2が書かれていた。三号機はトレと呼ばれていて、右手にヒートレイピアを持っていて、左胸には、logと、小さい2と、8と、イコールと、3が書かれていた。

2 解説

 この作品に出る、父と二人の子供は、ガンダム00に出るチーム・トリニティをモデルにしたかったんですけど、長男がどんな人なのか、よく分からなかったので、ランバ・ラルの子供がミハエル・トリニティとネーナ・トリニティみたいにしました。

3

 三人は、地球の戦車部隊を見つけた。ジョーヴェのラナ・ナスタ・オットは、ローシャンに乗って飛んでいた。オットが節のある剣を振ると、節がバラバラに切れたが、中を通っているワイヤーで繋がっていて、長い鞭になると、一台の戦車を叩いて引っくり返し、同時に左手のマシンガンで、別の戦車を撃って吹き飛ばした。それから鞭の中のワイヤーが縮んで、元の剣に戻ると、オットはその剣で、近くにいた戦車を叩き切った。マルテ・トリシンメトリアのラナ・ナスタ・ドゥーエは、左右の腰に付いてる推進装置で、自力で飛んで、一台の戦車に近付くと、右手に持ったトラバサミを開いて、戦車をそのトラバサミで挟んで噛み砕き、続いて、再び閉じたままのトラバサミで、隣の戦車を叩き潰した。ヴェネレ・シンメトリアのラナ・ナスタ・トレはネヌファルに乗って、宙に浮いたままで、戦闘には参加しなかった。ヴェネレは「雨が降るわ。すぐに戻らないと!」と言った。するとジョーヴェは「機体が濡れるとまずいな。よし、戻るぞ」と言った。マルテは「雨、何だそれは」と言うと、ジョーヴェが「この地球という星は、時々空から水が降るんだ」と言った。マルテは「そんな事あるかー!!」と怒鳴ったが、ジョーヴェは「戻らないと駄目だ」と言って、引き返し始めた。マルテも渋々と引き返し始め、ヴェネレも二人の後に続いた。三人が宇宙に出た後で、雨が降り始めた。マルテは「マジで水が降ってやがる」と驚き、ヴェネレは「水蒸気が大気中の埃を芯にして凝集して水になるのよ。コップの外が濡れるのが凝集よ」と説明した。しばらくして、ヴェネレは「アレッサンドロ・オーロが地球のラナに撃墜されたわ」と言った。ジョーヴェは驚いて、「地球にラナがいたのか」と言った。アレッサンドロ・オーロは、同じ時間に、ギガントルペドに乗って、別の場所に出撃していた。

4

 

 赤い彗星に戻った後、ジョーヴェは、同じゲロイア星人の傭兵であるナストロの所に行って、彼に「王族を乗せた脱出艇はこの地球の方向に向かっていて、君がその脱出艇を沈めたんだったな」と言った。それからまた彼に「実は見逃して、撃沈したと報告をしたのではないか」と言うと、ナストロはうつむいて答えなかったが、ジョーヴェは「言わずとも良い。私はお前を信じていると言って、その場を後にした。

5

 

 ヴェネレは、データを解析して、地球にいるラナの映像を見つけた。そして、ジョーヴェにその映像を見せた。ラナのハッチが開いて、セレニタの顔が見える映像であった。ジョーヴェはセレニタのサークレットを見て「我らの王子、イノゴ・マトゥサレン・ペドロファウノ8世だ」と言った。ヴェネレは驚いて「王子様なの!?」と言ってから、説明を続けた。「王子様は、地球ではエル・セレニタ・デ・サン・アントニオ・ラ・サンタ・クルスという名前よ。エル・セレニタが名で、デ・サン・アントニオが父姓で、ラ・サンタ・クルスが母姓だわ。だけどラナには特に名前は付けてないみたいよ」と言った。するとジョーヴェは「ただのラナじゃ紛らわしいから、とりあえず我々は、王子のラナをラナ・デ・サン・アントニオと呼ぼう」と言った。

6

 

 数日後、ゲロイア出身の傭兵達が、ジョーヴェの部屋に集まって、モニターに映し出された映像を見ていた。セレニタが乗っていて、彼らがラナ・デ・サン・アントニオと呼んでいるラナ・レパラダが、赤い彗星の燭台型戦闘機と戦っていた。燭台の蝋燭の火から発射されたビームが、ラナ・レパラダの左腕、頭部を吹き飛ばした。そして燭台が更にビームを発射した時に、盾が飛んで来て地面に刺さって、燭台のビームを防いだ。同時に、ローシャンに乗ったツァパルディアが飛んで来て、ツァパルディアがローシャンから跳び下りて、ラナ・レパラダの前に立ち、ローシャンは燭台に向かって飛んで行き、燭台はローシャンをビームで撃ち落した。ツァパルディアの後ろで、ラナ・レパラダは首の付け根だった穴から、舌と呼ばれるマジックハンドが反陽子ハンドキャノンを持って出て、ラナ・レパラダの右手が陽電子ライフルを落として反陽子ハンドキャノンを取って、燭台に向けた。燭台がツァパルディアの右腕と右脚を吹き飛ばして、ツァパルディアが倒れると、ラナ・レパラダは反陽子ハンドキャノンで、燭台を撃ち抜いた。その様子を見ていたゲロイアの騎士達は、「あの燭台に勝ったぞ」と言って沸いた。ラナ・レパラダの上半身が射出されて落ちて、ウエボがラナ・レパラダの下半身から離脱してレナクァホに変形すると、赤い彗星に向かって飛び立った。すると騎士達は、「我らの王子様をお迎えするんだ」と叫んで、蜂起した。レナクァホが彗星の中に飛び込むと、赤いガスの中に巨大なシャンデリアがあった。カエサルが「あのシャンデリアが彗星の本体だ」と言った。そしてレナクァホはミサイルを撃ち始めた。シャンデリアからの反撃は、全く無かった。カエサルは、反撃が無い事を不思議に思った。その時レナクァホから発射されてたミサイルの弾頭は、普段の陽電子カプセルではなく、反陽子カプセルであった。やがてシャンデリアは炎に包まれ、爆発し始めた。同時にレナクァホは逃げ始めた。ガスの外に出ると、幾つかの火柱がガスの外に飛び出した。その時セレニタはフロッピーを取り出すと、別のフロッピーを入れて、スロットルを押した。するとレナクァホは一気に加速した。レナクァホの最大速度は秒速35786キロであるが、そのフロッピーはそれ以上のスピードが出せるように、プログラムを書き直してあった。しかし数秒後に、レナクァホの後ろ半分が爆発して前半分は吹き飛ばされた。その後彗星は消滅した。